親との感情的つながりをサポートることで、早産児の脳の発達が改善されます!
どんな研究をしたのかな?
ヘルシンキ大学より(2022.9)
結論からお話しすると、集中治療室での治療中に未熟児と母親の間の感情的なつながりをサポートすると、赤ちゃんの脳の発達が効果的に改善されました。
その影響は、赤ちゃんの脳ネットワーク機能とその後の神経認知の発達にはっきりと現れることが分かりました。
※神経認知:一般的な年齢に合わせて成長する五感(外の世界を知る感覚)の発達と覚えると分かりやすいです(^^)
具体的な研究は!?
今回の研究では、新生児集中治療室で約6週間の家族育成介入(FNI)を行った後、正期産児の脳ネットワーク機能を測定しました。すべての赤ちゃんは通常の高水準の早産児ケアを受けましたが、母子の感情的なつながりを強化するために追加の FNI が与えられた家族もありました。
この研究は、集中治療中のこうした親のサポートにより、未熟児に典型的に見られる脳機能の発達異常がなくなりました。
さらに、治療した未熟児の脳ネットワーク機能は、通常の正期産児で生まれた対照群と変わりませんでした。
今後の研究課題は?
サンプサ教授は、「集中治療室における未熟児の治療は大幅に改善されましたが、脳の発達をサポートすることは依然として世界的な課題です。治療の革新とともに、新しい治療法が発達中の子供の脳に直接どのような影響を与えるかを測定するためのより良い方法が必要です」と話しています。
実用的な方法とは?
近年、音楽、マッサージ、皮膚接触などの特定の感覚刺激を使用して、新生児集中治療において乳児の環境を「豊かにする」ためのさまざまなアプローチがいくつかの研究で導入されています。現在実施された新しい研究では、親子間の自然な生きた交流の重要性が強調されています。この研究は、母親と乳児の間の感情的なつながりをサポートすることが、生涯にわたる神経認知能力の基礎である脳活動ネットワークの直接的な改善につながることを示しています。
「世界的な観点から見ると、この種の治療法の進歩により、医療システムのリソース(資源)や個々の患者に関係なく、誰でも介入が利用できるようになるため、新しい発見は特に興味深いです」とこの研究を主導したヴァンハタロ教授は結論付けています。
まとめ
今回の研究では、母親と乳児の間の感情的なつながりをサポートすることが、生涯にわたる神経認知能力の基礎である脳活動ネットワークの直接的な改善につながることを示しています。
ただし、今後の課題にもありますが生まれつきの発達症(旧:発達障害)にはひとりひとりの脳機能の様々な影響がありますので、そこに焦点をあてる必要があると考えます。この数年で大きく変化していると実感しており、子ども達の可能性をひきだしてくれています(^^)
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